打神鞭  古代・中世の武器シリーズ

【打神鞭(だしんべん)】   太公望がふるうう、神を打つ仙人の鞭

 現代日本で鞭というと、ほとんどの方が革製で蛇のごとくしなる紐状のものを思い浮かべるだろう。ところが、これは中国では「軟鞭」と呼ばれる鞭の種類の1つである。「硬鞭(こうべん)」と呼ばれる主として鉄製の、まったくしなりのない棒状の武器も、鞭と呼ばれた。
 硬鞭の使い手といえば、なんといっても明代の中国の伝奇物語『封神演義(ほうしんえんぎ)』(万暦(1573~1619)なかばの成立?)に登場する姜子牙(きょうしが)こと呂尚(りょしょう)だ。日本では太公望の名で知られる(ここでは太公望で統一)
 太公望は『封神演義』などで魔術師的能力を備えた軍師として描かれるが、紀元前一一世紀ごろに実在した人物だ。釣りをしているところを、周の文王に見いだされ、軍師に迎えられた伝説がある。文王は、周王朝創始者・武王(ぶおう)の父だ。有能な人材を集め、徳治で知られ、後世の儒家から理想的な聖天子と称された。
 その文王が、「我が太公(父祖)が待ち望んだ人物」と評したところから、太公望と呼ばれたという。日本で釣人を太公望というのは、この故事にちなむ。
 当時、周は?殷王朝の支配下にあった。太公望は軍師として、文王の子・武王の殷王朝討伐に力を尽くし、周に勝利を導いた立役者の一人となる。その後、斉国に封ぜられた。
 その太公望が、『封神演義』のなかでふるった特製の鞭が「打神鞭」だ。
 太公望は周の軍師になる前に、師匠の元始天尊(げんしてんそん)から「封神の儀式」の執行を命じられていた。封神の儀式とは、「封神榜」?というリストに挙げられた三六五名の仙人や道士を討ち、その魂を封じるというもので、そのための武器が打神鞭である。文字通り、神を打つ鞭なのだ。
『封神縁起』には奇想天外、摩訶不思議な宝貝(パオペイ)(仙人が作った道具)が、これでもかとばかりに登場するが、この打神鞭も変わっている。
 使い方は、掛け声とともに投げつけるだけと、いたって簡単だ。あとは自動的に標的のもとに落下し、頭蓋骨を打ち砕く。打神鞭の一撃は、どんな仙人でも死に導いた。
 とはいえ、けして使い勝手のよい武器ではなかった。
 まず、効果があるのは「封神榜」に挙げられていうる相手のみ。つまり、通常の戦いでは使い物にならない。
 くわえて、使える回数にも制限がある。打神鞭には二一個の節目があり、節目ひとつごとに四つの封印がなされている。この封印は敵を倒すたびに消えていく。つまり、二一×四で合計八四人の敵しか倒せないのだ。
 これでは、とても太公望一人では、封神の儀式は完遂できない。他の者の助力が必要だった。太公望が周の軍師になったのも、周軍の援助をあてにしたのかもしれない。
 

                           【了】

 

 

ラストはいつものように、ななみちゃんのラブリーなお姿

 

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(,,Ő x Ő,,)✨カワユス!!✨

 

 

もうひとかたのピー殿はハロウィン姿 (,,Ő x Ő,,)✨カワユス!!✨

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